【日常】 ガ・ボー

今日の仕事のノルマを達成した。
時計は6時15分を指していた。

本当ならばもう少し早く終わる予定だった。
しかし、今回は先方からの原稿校正が多かった。
何度も先方とやり取りをし、より良い原稿を仕上げた。






思えば、こまめに保存しておくべきだったと。
その時は、まったく思わなかった。








「はい、あー、ここの文字の行間隔をですね、はい、はい」
先方とのやり取り、電話を受けながらの原稿修正はもう慣れたもので、最初の頃は、電話を首に挟みながらタイプすると受話器を床に落としえらい目にあった事もあります。
「かしこまりました、修正し次第データを送りますのでご確認くだ…、下さい」
私は、電話してる声が一瞬どもってしまった。何故か。








操作しているパソコンのディスプレイがおかしいのである。
俗に云う「飛んだ」・「逝った」である。





僕は、静かに受話器を置き、パソコンと向かい合った。
考えられる復帰方をしても反応は無く、ただただ呆然としていた。

何がインストラクターだ。
何がサポート担当だ。
フリーズを防ぐ方法はいくらでもあったのに、こまめに保存するなんて当然の事なのに。
いまさらそんな事を考えても後の祭り。

時間はすでに5時30分を回っていて。
また今日のノルマ分を最初から終わらせると思うと絶望感で支配された。











このまま呆けてても仕方ないので、強制終了し再起動。
相変わらずの起動画面…
心の中で「このポンコツ」などと思いながら作業を開始。








すると。





















復旧したファイル。





















僕は、その機能に感謝した。
そして、歓喜のあまり涙は出ないけど心は泣いた。
存在は知っていたが、あまり利用することは無かったから尚更である。














「やった、残業しなくて済んだよママン」






今日は美味しい御飯が食べられそうです。